〔♪〕眠れぬ夜は 帳を降ろして 「、!でん、」 「瞼の裏の闇が怖いなら」 「か」 「こうしていてあげよう」 闇は何もひとつじゃないからね 〔♪〕ああ、お腹がすいた 「………」 「………」 ごくり。 〔♪〕1歩、(踏み込んで/後ずさる)、時間 「…息を、」 「、」 「していないね」 「止めていたんです」 「なぜ?」 「その方が楽だからです」 「……スザク」 「はい」 「もしも今私が声を掛けなかったら、いつまで息を止めているつもりだったんだい?」 「………、分かりません」 「感覚で?」 「はい」 「そう」 「恐らく」 「うん」 「殿下の御手が、心臓を通り過ぎた頃かなと」 「私の手が?」 「はい」 「面白い。ではやってみようか。一旦上げるよ」 「……」 「くす、もう止めてしまったのかい?」 「…今のは、反射的に」 「苦しい?」 「はい」 「そう、…では、少しずつ下ろしていこうか」 少しずつ、少しずつ、 そのうちに鼓動が追いついて、 重なって、 やがて鼓動の方が速くなっても 「…………」 まだ、駄目だよ。 〔♪〕そうだね 「でも、生きている限り、君だけが悪いなんてことはありえないんだよ」 「俺…っ、俺だけが知っ…、俺だけがっ、 たすけられたのに…!」